ウェブアクセシビリティとは

「ウェブアクセシビリティに配慮する」ということは、障害者や高齢者を含めた利用者を想定して、誰にでも使いやすいようにウェブサイトを構築することです。

全盲の人は、ウェブサイトから視覚的に情報を得られません。スクリーンリーダと呼ばれるソフトウェアを使って、ウェブサイトを利用端末に読み上げさせて閲覧します。このとき、ウェブサイトに画像しかなく、文字がなければ、まったく情報を得られません。視覚的に文字に見えても、それが画像化された文字であれば、適切に処置された画像でない限り、やはり情報を得られません。

全盲でなくても、弱視の人や色弱の人、加齢によって視力が低下してきた人は、文字が小さかったり、コントラストが弱いと情報の取得が難しくなります。

上肢に障害がある人は、マウスが操作しづらいことがあります。マウスを自在に扱えない人にとっては、クリックすべき領域が小さいと、クリックが難しいこともあります。またすべての人がマウスを使ってウェブサイトを利用している訳ではありません。全盲の人は、マウスをまったく使わず、キーボードのみでコンピュータを利用しています。

古いコンピュータを使っている人は、先端技術のみ意識して情報提供されたウェブサイトからは情報を得られないかもしれません。

普段は身体障害がなくとも、事故による怪我や、眼鏡などの補助機器の喪失による、一時的な障害者もいます。こういう状況で、必要な情報が手に入れられないとき、場合によっては重大な損失につながることがあります。

厳密な意味で、「すべての人に対してアクセシビリティを確保する」というのは難しいことですが、障害者、高齢者、一時的な障害者、そして健常者など、この人々から、なるべく情報にアクセスする機会を奪わないことで、サイトの利用者と、サイトの作成者の関係の可能性が生まれます。

さまざまな利用者、さまざまな利用環境を想定し、アクセシビリティを確保しつつ、魅力的なウェブサイトを構築していきたいものです。

このウェブアクセシビリティ・マークについて

このマークは、このマークが宣言していることと矛盾していないサイトであれば、どこで使ってもらってもかまいません。

ウェブアクセシビリティの考え方は、世界的には、インターネットの情報技術標準化推進団体W3Cの分科会WAIが提唱しています。日本では、WAI提唱のWCAGを参考にしたJIS X 8341-3:2016があり、地方自治体のウェブサイトなど、情報アクセシビリティへの配慮が特に必要なサイトなどを中心に浸透しています。

ウェブアクセシビリティ関連のマークは、本ページで提唱している以外にもいくつかあり、ウェブ業界で最も有名なマークは、WAIが提唱するマークです。上述のJIS規格においては、通常の工業製品であれば、JISマークを設置できますが、日本工業標準調査会がチェックする訳ではない、個々のウェブサイトへの設置は想定されていません。

厳密な一致性や、場合によると安全性が求められる工業製品と違って、そもそもは、アクセシビリティの確保など、誰に知られることがなくとも、静かに行えばいいことなので、こういったマークの設置はそれほど重要ではありません。この点で、このマークの意味は啓発(とすこしの名誉)であるといえます。サイトの利用者がこのマークに気づくことで、さまざまな利用者を思い出すことと、このマークを掲載しているサイトが、さまざまな利用者を忘れていないというメッセージを発することが、このマークの仕事です。

WCAGとJISでは、アクセシビリティ確保の度合いに応じてA(シングルエー)からAAA(トリプルエー)までの段階を定めています。障害の度合いや、サイト利用者が置かれた状況に対して、この確保の度合いを提示することで、サイトの利用可能性を提示することにも一定の意味がありますが、私たちが提唱するマークは、確保の度合い以外の尺度として、障害当事者によるチェックの有無を提示します。当事者によるチェックがアクセシビリティの確実性を保証するものではありませんが、障害当事者がサイトの作成プロセスに参加することに意味があるはずだと考え、このマークを提唱しました。もし、あなたのサイトがもっと高い基準を満たしているのでしたら、もちろんWCAGのマークや、JIS X 8341-3:2016に基づく、アクセシビリティ報告書を使ってもいいのです。

ただ、JIS X 8341-3:2016では、アクセシビリティのチェック方法は定められましたが、とくに障害者のチェックを求めるものではありません。基準以上のチェックをした場合に付記する項目はありますし、必ずしも当事者チェックが絶対的にアクセシビリティに寄与するとは限らないので、それはそれで決して悪いことではないのですが、このマークは、WEB JISやWCAGが求めるチェックへの付加価値として、あわせてご利用いただけるものだと考えています。

またアクセシビリティの考え方がひろがるように、当事者がチェックをしていなくても利用いただける、ゆるやかな宣言のマークもあわせて作りました。「ウェブアクセシビリティに配慮しています」というマークです。

いずれのマークも永久に無料ですし、どんな思想の人が、どんなサイトで使っていただいてもかまいません。実際はいくつかのバリアがあっても、直していこうと考えているサイトだったら使っていただいてかまいません(ただ、障害者やそのほかの利用者から、アクセシビリティに関する意見や要望があったら対応してください)。利用条件は、本項冒頭に示した通り、マークが宣言していることと矛盾していないことだけです。

ウェブアクセシビリティ・マークの使い方

権利について

マークの提唱者は有限会社時代工房です。著作権については、有限会社時代工房が有しますが、マーク利用にあたっては、著作権表示は一切不要です。

マーク一覧

以下のマークの一覧からご利用ください。コードジェネレータもご利用いただけます。

マークのみ

alt属性値は適宜書き換えてください。

ウェブアクセシビリティに配慮しています ウェブアクセシビリティに配慮しています

アクセシビリティチェック(日本語)

障害当事者がアクセシビリティチェックをしています 障害当事者がアクセシビリティチェックをしています
障害当事者がアクセシビリティチェックをしています 障害当事者がアクセシビリティチェックをしています
障害当事者がアクセシビリティチェックをしています 障害当事者がアクセシビリティチェックをしています

アクセシビリティチェック(英語)

Accessibility Checked by People with Disability Accessibility Checked by People with Disability
Accessibility Checked by People with Disability Accessibility Checked by People with Disability
Accessibility Checked by People with Disability Accessibility Checked by People with Disability

配慮しています(日本語)

ウェブアクセシビリティに配慮しています ウェブアクセシビリティに配慮しています
ウェブアクセシビリティに配慮しています ウェブアクセシビリティに配慮しています
ウェブアクセシビリティに配慮しています ウェブアクセシビリティに配慮しています

配慮しています(英語)

Web Accessibility Considered Web Accessibility Considered
Web Accessibility Considered Web Accessibility Considered
Web Accessibility Considered Web Accessibility Considered